フレイルからの改善方法とは

まだ要介護状態というほど心身が衰えていないものの、日常生活の様々な場面で心身が虚弱状態に陥り、そのまま放置すれば要介護状態に移行してしまう段階を指すフレイル。ただし、高齢者がフレイルという状態にあったとしても、心身の活動を増やすことにより、改善が可能だと言われており、決して回復不能な訳ではありません。たとえ、若い頃のように健康な状態に戻ることが難しいとしても、リハビリ等により要介護状態への移行を遅らせることは十分可能です。

まず、身体機能が衰えて、咀嚼や滑舌が悪くなった場合には、顔の筋肉を動かすトレーニングや顔のマッサージとストレッチといった身体活動により、ある程度症状を和らげることができます。また、膝や足首といった関節が硬くなって動きにくくなったら、体操やリハビリにより柔らかくすることもできるでしょう。こうした場面では、作業療法士や言語療法士などの専門家から身体活動の指導を受けることが重要です。

それから、独居生活で他者との交流の機会が少なく、認知症や鬱傾向が見られる高齢者に対しては、積極的に交流の場を設けてコミュニケーションによる脳への刺激を増やさなければなりません。独居老人と地域の連携を深めるため、生活相談員が活躍しています。特に、引きこもりや社交拒絶の傾向がある独居老人については、外部からの働きかけがないと、早々にフレイルから要介護状態に移行するおそれがあると言えるでしょう。地域社会が、孤立する高齢者の数を減らす取組みをしなければなりません。